「夏になると、どうにもならない2階の暑さを解消したい」
「屋根のメンテナンスと一緒に、家の快適性も向上させたい」
そんなご要望にお応えできる、有力なリフォーム方法があるのをご存知ですか?それが屋根のカバー工法です。この工法なら、屋根の補修と同時に、断熱効果を向上させることが可能です。しかし、なぜ屋根を重ねるカバー工法で、そこまで断熱効果が高まるのでしょうか。
この記事では、カバー工法が断熱効果を向上させる具体的な理由と、リフォームでさらなる断熱効果を得るためのポイントをご紹介します。
屋根カバー工法で断熱効果は得られる?
結論から述べると、屋根カバー工法は断熱効果を向上させる有効な手段となります。なぜなら、既存の屋根の上に新たな屋根を重ねることで、屋根が二重構造となり、その間にできる空気層が断熱材のような役割を果たすからです。これにより、外部の熱が室内に伝わりにくくなり、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるようになるでしょう。
ただし、屋根材選びは重要なポイントです。断熱材と一体になった高性能なガルバリウム鋼板などを採用すれば、断熱効果は大きく期待できるでしょう。一方で、断熱材が含まれていないアスファルトシングルなどの屋根材を選んだ場合、二重屋根になることによる一定の断熱効果は見込めるものの、期待していたほどではないと感じる可能性もあります。
屋根カバー工法でより高い断熱効果を得るためには、屋根材の選択が鍵となることを覚えておきましょう。
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断熱と遮熱の違いは?どちらを選ぶべき?
屋根リフォームにおいて、「断熱」は外部からの熱の侵入を抑えること、「遮熱」は太陽光などの熱エネルギーを反射することと捉えられます。
屋根裏の温度上昇を防ぐ方法として、遮熱塗料による屋根塗装と断熱材入りの屋根材を用いたカバー工法が検討されることがあります。しかし、遮熱塗料による塗装は塗膜が薄いため、時間の経過とともに熱が屋根裏へ伝わりやすくなります。一方、1cm以上の厚みがある断熱材を含む屋根材を用いるカバー工法は、熱をしっかりと遮断する効果が期待できます。
実際に、大手金属メーカーのアイジー工業のデータを見てみると、塗装リフォームと断熱材一体型ガルバリウム鋼板(スーパーガルテクト)の屋根裏温度には15℃もの差がありました。
※出典:アイジー工業|アイジールーフ
この結果からも、より快適な住環境を求めるなら、カバー工法による断熱が有効であるといえるでしょう。
屋根カバー工法で断熱効果を高めるためのポイント
屋根カバー工法は、住まいの断熱性を向上させるための有効な手段のひとつです。さらに、いくつかのポイントを押さえることで、その効果をより高められます。
断熱材に厚みのある屋根材を選ぶ
屋根カバー工法で断熱効果を大きく高めるためには、断熱材が一体となった屋根材を選ぶことをおすすめします。特に、断熱性能に直接影響する断熱材の厚みは、非常に重要な選択のポイントです。
薄い断熱材を採用した屋根材もありますが、これは既存の屋根裏断熱が十分である場合に適しています。ご自宅の屋根や屋根裏の状況を正確に把握し、最適な屋根材を選ぶためには、専門業者による調査と提案が不可欠です。まずはプロの目で現状を確認してもらい、最も効果的に断熱対策のできる屋根材を選びましょう。
遮熱塗料が塗布された屋根材を選ぶ
前述のように、断熱は熱の侵入を防ぎ、遮熱は熱を反射する性質を持ちますが、両方の性能を兼ね備えた屋根材を選ぶことで、住まいの断熱効果は格段に向上します。
具体的には、断熱材一体型の屋根材に加えて、その表面に遮熱塗料が塗布されたものが理想的です。これにより、侵入しようとする熱を断熱材でブロックするだけでなく、屋根材の表面で効率的に反射することも可能になります。より快適な住環境を追求するなら、断熱性能と遮熱性能を両立した屋根材を選ぶのがベストな選択といえるでしょう。
明るい色を選ぶ
一般的に、屋根材の色は明るいほど日射反射率が高く、特に白やシルバーはその傾向が顕著です。大手建材メーカーのケイミューの実験データでも、白、シルバーに加え、オレンジやベージュといった明るい色が、比較的高い日射反射率を示す結果が出ています。
※出典:ケイミュー屋根材総合カタログ2025
ただし、屋根の断熱効果は屋根材の色だけでなく、断熱材の厚みといった性能にも大きく左右されます。そのため、「明るい色だから断熱効果が高い」と単純に判断することはできません。
最適な屋根材を選ぶためには、施工前に専門業者から各商品のデータを示してもらい、ご自宅の状況や希望する断熱性能に合わせて比較検討しましょう。
換気棟を新設する
屋根カバー工法では、湿気対策が重要になります。その対策の一つとして換気棟の新設がありますが、施工が不適切な場合、雨漏りのリスクを高めてしまう可能性も。安易な増設は避け、慎重に検討する必要があります。
もし既存の屋根に換気棟が設置されている場合は、その機能を維持することが大切です。カバー工法の際には、換気棟を塞がないように施工してもらうよう、業者にしっかりと伝えましょう。
断熱効果の高いおすすめ屋根材
カバー工法に用いられる屋根材にはさまざまな種類がありますが、特に断熱効果が期待できるおすすめの屋根材を2つご紹介します。
スーパーガルテクト(アイジー工業)
アイジー工業の「スーパーガルテクト」の特徴は、厚さ16mmの断熱材を内蔵していることです。加えて、表面に遮熱塗料を塗布することで、二重の備えで住まいを夏の暑さから守ります。その断熱効果は非常に高く、従来の瓦や化粧スレートはもとより、断熱材のない金属製屋根材と比較すると、熱の伝わりにくさは約4.6倍にもなります。
横暖ルーフ(ニチハ)
ニチハの「横暖ルーフシリーズ」は、最大17mmの断熱材を内蔵した屋根材です。ガルバリウム鋼板と一体構造で、住まいを熱からしっかりと守ります。さらに、表面の遮熱機能と裏面に施されたアルミラミネート加工紙が、太陽熱の輻射熱を効果的に反射します。一般的な鋼板と横暖ルーフの裏面温度を比較した実験では、約12℃もの温度差が確認されています。
サーラハウスサポートは高性能なスーパーガルテクトを採用!
東海地方でカバー工法を中心に、外装リフォームを手掛ける「サーラハウスサポート」では、アイジー工業のスーパーガルテクトを採用しています。
複雑な形状の「かん合部」と呼ばれるつなぎ目に、断熱材を隙間なく丁寧に充填することで、熱が侵入する「通り道」を徹底的に遮断します。
さらに、屋根材の表面に施された高性能な遮熱塗料が、真夏の強い日差しによる熱を効率よく反射します。これはまるで、屋根に日傘をさしているかのように、室内に伝わる熱を最小限に抑える効果を発揮します。
「濃い色の屋根は暑い」というイメージを覆すのも、スーパーガルテクトの特長です。黒や茶色といった深みのある色を選んでも、高い日射反射率によって熱くなりにくいというデータがあります。そのため、デザイン性と機能性の両方を諦めることなく、豊富なカラーバリエーションの中から、あなたの理想の住まいにぴったりの一枚をお選びいただけます。
断熱と屋根の耐久性向上で住まいの安全と快適性を向上
サーラハウスサポートが、屋根の断熱リフォームに「カバー工法」をおすすめするのには、理由があります。それは、カバー工法なら一度の工事で、断熱効果と屋根全体の性能をまとめて向上させることができるからです。
一般的な屋根の断熱リフォーム(屋根裏に断熱材を入れる方法)でも断熱効果は期待できますが、その他のメリットは限られます。しかし、カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工するため、断熱性の向上はもちろん、屋根自体の耐久性向上や、新築のような美しい外観への回復など、複数の効果やメリットが得られます。
さらに、2025年4月以降、屋根の葺き替えのような大規模なリフォームでは、確認申請が必要となるケースが出てきます。このため、工事期間が長期化したり、想定外の費用が生じたりするかもしれません。しかし、カバー工法ならこれまで通り確認申請は不要です。煩雑な手続きや余計なコストを抑えつつ、円滑に屋根のリフォームを進められます。
このような多岐にわたるメリットと、将来的な手続きの負担軽減を考慮すると、屋根の断熱リフォームにはカバー工法が最適であると判断でき、お客様におすすめしています。
断熱性能だけでなく、屋根の寿命や見た目など、少しでも気になる点がございましたら、どうぞお気軽にサーラハウスサポートまでご相談ください。