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【屋根カバー工法】ガルバリウム鋼板を用いてリフォームする場合の費用相場は?

ガルバリウム鋼板を用いた屋根

屋根のリフォーム方法の一つであるカバー工法。そのカバー工法に使われる屋根材の中で特に人気なのが、高機能でデザイン性にも優れたガルバリウム鋼板です。非常に丈夫で施工性も高く、多様なメリットを持つ屋根材ですが、リフォーム費用はどのくらいかかるのでしょうか?

この記事では、ガルバリウム鋼板を用いた屋根カバー工法の費用相場を解説。さらに、カバー工法の基礎知識からガルバリウム鋼板の特徴、お客様からよくいただく質問まで、屋根リフォームを検討する上で役立つ情報をお届けします。

屋根カバー工法とは?

足場を組んだ屋根

まずは、屋根カバー工法とはどのようなリフォーム方法なのかを解説しましょう。

屋根カバー工法の基本知識

屋根カバー工法は、今ある屋根の上に新しい屋根材を重ねて設置するリフォーム方法です。屋根のリフォームには他に「塗り替え」と「葺き替え」がありますが、屋根カバー工法はそれぞれのデメリットを補える優れた選択肢といえるでしょう。

塗り替えは屋根の見た目をきれいにできますが、劣化した部分を根本的に補修するものではありません。葺き替えは屋根全体を新しくするため、見た目も機能も新築同様になりますが、大掛かりな工事となるため、費用も工期もかさむ傾向があります。

それに比べて屋根カバー工法は、既存の屋根を撤去する手間がないため、費用と工期を抑えながら、屋根の美観と機能を向上させることが可能です。

メリット・デメリットをおさらい

■メリット
屋根カバー工法は、既存屋根材の撤去が不要なため、手間やコストが省けるほか、廃材処理費も削減できます。また、アスベストを含んだ屋根材が使われている場合でも、飛散のリスクなく工事を進められるため、除去費用や特別な対策が不要です。これにより、工事の総額を抑えつつ、環境にも配慮できます。

屋根材が二重になることで空気層が形成され、住まいの断熱性・遮音性が向上し、快適な室内環境が叶う点もポイントです。
さらに、最も注目すべきは、2025年4月からの建築基準法改正後も、基本的に建築確認申請が不要である点です。葺き替え工事では構造部の変更や大幅な重量増によって確認申請が必要となるケースが出てくる可能性があるのに対し、カバー工法は手間や費用、時間の削減に大きく貢献します。

■デメリット
屋根カバー工法の最大のデメリットは、屋根全体の重量が増加することです。特に既存の屋根が重い素材の場合、建物の耐震性に影響を与える可能性があるため、軽量な屋根材を選ぶ必要があります。

また、既存屋根の下地が著しく腐食している場合は、カバー工法は採用できません。これは、カバー工法が既存の屋根を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねるためです。もし下地の損傷や雨漏りの根本原因が解決されないまま工事を進めてしまうと、新しい屋根材を重ねても問題が再発する可能性があります。そのため、工事の前に徹底した屋根診断が不可欠となります。

以下に、屋根カバー工法のメリット・デメリットをまとめました。

なぜ屋根カバー工法にガルバリウム鋼板が選ばれるの?

カタログを見ながら提案書を作成する作業員

ガルバリウム鋼板は、その優れた特性から、屋根材として非常に高い人気を誇っています。特に屋根カバー工法においては、そのメリットが最大限に活かされます。しかし、デメリットがまったくないわけではありません。後悔のないリフォームができるよう、両方を知っておきましょう。

ガルバリウム鋼板を用いるメリット

■断熱性能が向上する
ガルバリウム鋼板自体は金属であるため熱伝導率が高いと思われがちですが、最近の製品の多くは、裏面に断熱材が一体化されています。これにより、外部からの熱の伝達を効果的に遮断し、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内環境を保つのに役立ちます。さらに、屋根カバー工法で施工すると、既存の屋根材と新しい屋根材の間に空気層が生まれるため、二重の断熱効果が期待できます。

■施工性が良い
薄くて軽量なガルバリウム鋼板は、運搬や加工がしやすいため、職人にとって非常に扱いやすい屋根材といえます。また、複雑な屋根形状や細かい部分にも柔軟に施工できるため、その分、施工時間を短縮し、人件費などのコスト削減にも繋がります。こうした優れた施工性は、既存の屋根を撤去しないカバー工法において特に大きな利点となります。

■軽量で建物へ負担をかけにくい
ガルバリウム鋼板は、従来の瓦屋根やセメント系屋根材と比較して非常に軽量です。その重さは、スレート屋根の約1/4、瓦の約1/10ともいわれています。屋根カバー工法で既存屋根の上に重ねる際も、この軽さが建物の負担を最小限に抑えます。結果として、建物全体の重量が軽減され、地震発生時の揺れを抑える効果が期待できるのです。

■サビに強い
ガルバリウム鋼板は、鋼板をアルミニウムと亜鉛の合金でメッキしたものです。このメッキ層に含まれる、アルミニウムのバリア効果と、亜鉛の犠牲防食効果(より腐食しやすい金属が身代わりとなって鋼板を保護する作用)により、一般的な鋼板よりもはるかにサビに強いのが特徴です。そのため、海沿いの地域など、塩害のリスクがある場所でも安心して使用できるなど、高い耐久性を持っています。

■カラーが豊富
ガルバリウム鋼板は、塗装技術の進化により、豊富なカラーバリエーションが展開されています。定番のブラックやグレーのほか、ブラウン、グリーン、ブルーなど、多様な色が揃っており、建物の外観デザインや施主の好みに合わせて色を選ぶことができます。

■長期保証付きの商品が多い
高い耐久性と品質に自信を持つメーカーが多く、ガルバリウム鋼板の屋根材には長期の製品保証や塗膜保証が付いていることが一般的です。製品によっては25年〜30年程度の長期保証が設定されていることもあり、万が一の場合も安心。長期にわたって安心して暮らすことができ、将来的なメンテナンスコストの予測もしやすくなります。

ガルバリウム鋼板を用いるデメリット

■傷付きやすい
ガルバリウム鋼板は非常に薄く、軽量である反面、表面が傷付きやすいという弱点があります。例えば、台風などで飛来物が当たると、表面の塗膜に傷が付き、美観を損なう可能性があります。また、施工中に職人が誤って工具を落としてしまったり、施工後に屋根の上を歩いたりする際にも、へこみや傷が付きやすいので注意が必要です。

■他の屋根材よりも高価
瓦屋根や一般的なスレート屋根と比べて、ガルバリウム鋼板は初期費用が比較的高価になる傾向があります。特に、断熱材一体型や特殊な表面加工が施された高機能な製品は、その分価格も上がります。しかし、耐久性が高いため、長期的に見ると、メンテナンス費用を抑えられます。また、塗り替えなどの手間が少ないため、ライフサイクルコスト(製品の購入から廃棄までの総費用)で考えると、結果的に経済的であるケースも少なくありません。

■条件によってはサビることがある
ガルバリウム鋼板は「サビに強い」という特徴がありますが、まったくサビないわけではありません。例えば、屋根に釘やビスなどで傷が付き、メッキ層が剥がれた部分や、切断面から水分が侵入すると、そこからサビが進行することがあります。また、潮風が直接当たるような過酷な塩害地域では、通常の地域よりもサビのリスクが高まるため、定期的な点検・メンテナンスが重要になります。

ガルバリウム鋼板の費用

リフォーム費用を示す作業員

ガルバリウム鋼板の1㎡あたりの商品単価は、およそ11,000円です。仮に30坪・屋根面積80㎡の住宅にガルバリウム鋼板でカバー工法を行うとすると、費用相場は約80万~140万円程度ということになります。

費用は屋根の状況や施工業者によって変動する

屋根カバー工法は既存の屋根を撤去しないため費用を抑えやすいのがメリットですが、もし下地(野地板など)に腐食や損傷が見られる場合、その補修に追加費用が発生する点に注意が必要です。また、人件費や使用する資材、保証内容によっても金額が変動するため、屋根カバー工法を検討する際は、信頼できる専門業者から正確な見積もりを取りましょう。

ガルバリウム鋼板のメンテナンスのタイミング

屋根をチェックする作業員

ガルバリウム鋼板は非常に丈夫な屋根材ですが、適切なタイミングでメンテナンスを行うことをおすすめします。

①年に1~2回

年に1〜2回、ご自宅を見渡してみましょう。もし可能であれば、屋根全体が見える高い場所から見るのがおすすめです。このとき、屋根に凹みや目立った色あせがないか、雨樋に落ち葉やゴミが詰まっていないかなどを確認しましょう。こうした定期的なチェックが、屋根の小さな異変を早期に発見し、大きなトラブルを未然に防ぐことに繋がります。

②荒天の後

台風や雹(ひょう)が降った後は、特に注意が必要です。強風による飛来物や雹の衝撃で屋根が破損している可能性があるため、できる範囲で屋根の状態をチェックしましょう。ご自宅の周りに屋根材の破片や見慣れないものが落ちていないかも確認してください。ただし、ご自身で屋根に登って確認するのは大変危険です。安全を最優先し、専門業者に点検を依頼してください。

③定期メンテナンスは5~10年ごとを推奨

ご自身でのチェックに加えて、5〜10年ごとに専門業者に屋根の定期点検を依頼することをおすすめします。専門業者であれば、ドローンなど最新の技術も活用し、普段ご自身では見ることができない屋根の細部までくまなくチェックし、小さな異常も早期に発見してくれます。

特に、屋根の築年数が20年を超えると、目に見えないところで劣化が進行している可能性があります。この時期は、より念入りな点検を受けましょう。必要に応じて適切な補修やメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばすことに繋がります。

ガルバリウム鋼板に関するQ&A

業者に質問する女性

ガルバリウム鋼板を使った屋根カバー工法は、決して安価なリフォームではありません。そのため、契約前にすべての疑問を解消し、納得した上で進めることが、後悔しないリフォームに繋がります。ここでは、お客様からよくいただくご質問にお答えします。

Q.ガルバリウム鋼板は再塗装不要ですか?

A.基本的には不要です。
ガルバリウム鋼板自体の耐用年数は30〜50年ほどと非常に長いため、カバー工法後の再塗装によるメンテナンスは不要と考えてよいでしょう。しかし、メーカー保証期間を過ぎている、あるいはサビなどの劣化が激しく見られる場合は、一度専門のリフォーム会社に相談してみることをおすすめします。

Q.どんな屋根でもカバー工法でリフォームできますか?

A.金属系屋根、瓦屋根、複雑な形状の屋根、下地がひどく傷んでいる屋根は不可です。
ただし、専門知識を持たない方が一目で判別することは不可能なので、まずは専門業者にカバー工法の可否を判断してもらうとよいでしょう。

Q.断熱改修工事として補助金の申請ができますか?

A.屋根カバー工法単独での補助金申請は、基本的に適用されないケースが一般的です。
例えば、2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」のような補助金制度では、「躯体の断熱改修」というカテゴリーがあります。しかし、屋根カバー工法で使われる屋根材に含まれる断熱材の厚みは、一般的に約16mm程度です。屋根全体をリフォームしたとしても、この断熱材の量だけでは、補助金要件として求められる高い断熱性能基準を満たさないことがほとんどです。

もしリフォームで補助金制度の利用を検討されている場合は、詳細な要件がありますので、専門業者や各制度の事務局に相談することをおすすめします。

Q.カバー工法の工期はどれくらいですか?

A.1~2週間程度です。
ただし、職人が一度に何人入るかによって、工期は異なります。例えば職人が3人入れば、5~7日程度(休日を除く)での施工も可能です。施工業者や依頼するタイミングによって異なりますので、見積時に相談してみるとよいでしょう。

Q.ガルバリウム鋼板の中でおすすめの商品はありますか?

A.アイジー工業のスーパーガルテクトシリーズをおすすめします。
通常のガルバリウム鋼板に比べ、3倍超もの耐久性が期待できる、丈夫な屋根材です。塗膜のひび割れや剥がれなどの保証は15~20年、赤さびは20年、穴あきは25年もの保証がついており、長期間安心できるのもポイント。

この製品は16mm厚の断熱材と一体化しているため、優れた断熱性能を発揮します。実際に、他社の断熱材一体型金属屋根材と比べても、屋根裏の温度を約3℃低く抑えるというデータがあります。さらに、表面には遮熱塗料が施されているため、通常のガルバリウム鋼板と比較して屋根裏の温度を約15℃も低減。外気温に左右されず、一年中快適な室内環境を維持できるでしょう。

また、風速65m/s(猛烈な勢力の台風に匹敵する強さ)もの強風を3分間当て続ける過酷な実験でも、屋根材の飛散は見られませんでした。これは、家族の安全はもちろん、近隣への被害を防ぐ上でも非常に心強い性能です。

ガルバリウム鋼板を使ったカバー工法で住まいの安全と美しさを長く保とう

談笑する担当者と顧客

今のお住まいに、あと何年住まわれるのか、あるいは、将来的な売却も視野に入れ、建物の資産価値を維持したいとお考えなのかなど、お客様のライフプランによって、最適な屋根のメンテナンス方法は変わってきます。私たちサーラハウスサポートでは、大切な建物の資産価値を守るという観点から、ガルバリウム鋼板によるカバー工法を、自信を持っておすすめしています。

特に高品質なガルバリウム鋼板は、その優れた耐久性で30年という長い期間、屋根の安心を支えます。また、一度施工すれば、その後は基本的に葺き替えの必要がありません。初期費用はかかりますが、将来的なメンテナンスコストを考慮すると、コストパフォーマンスに優れた選択といえるでしょう。

さらに、サーラハウスサポートでは、10年の雨漏り施工保証を行っています。万が一、施工後10年の間に雨漏りが発生した場合でも、責任を持って対応させていただきますので、安心してご依頼ください。また、カバー工法に用いるスーパーガルテクトは製品そのものにも長期間に渡り、手厚い保証が付帯しているので、さらに安心です。

これらの充実した保証で、サーラハウスサポートは、お客様の住まいと安心を長期的にサポートいたします。屋根のことでお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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