屋根カバー工法は、既存の屋根を残したまま、新たな屋根材を被せるリフォーム方法です。屋根材にはいくつか種類があるため、耐久性・断熱性・保証内容などを考慮し、選ぶ必要があります。しかし、専門知識がないと最適な屋根材を選ぶのは難しいもの。
この記事では、屋根カバー工法の特徴や屋根材の選び方と合わせて、プロが選んだおすすめの屋根材を徹底解説します。
屋根カバー工法でリフォームするメリット・デメリット
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上に新たな屋根材を被せるリフォーム方法のこと。メリットとデメリットがそれぞれあるため、リフォーム前に確認しておきましょう。
メリット
屋根カバー工法は、既存屋根を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねるため、葺き替えよりも工事期間が短く、費用も抑えられます。工期は5日~2週間程度と、葺き替え工事の半分程度です。
アスベスト対策としても有効で、飛散リスクを最小限に抑えられます。廃材処理費用も削減でき、安全面とコスト削減の双方にメリットがあります。
また、既存屋根と新しい屋根材の間に空気層ができるため、断熱性・遮音性も向上し、快適な室内環境を実現します。光熱費削減や騒音軽減にもつながり、屋根リフォームとして人気の高い選択肢です。
デメリット
屋根カバー工法では、基本的に軽量の屋根材を用いますが、それでも屋根の重量が増加するため、建物の状態によっては耐震性に影響を与えます。また、屋根材の下地が腐食しているなど、劣化が激しい場合は、カバー工法よりも葺き替えの方が向いていることもあります。
さらに、屋根と既存屋根材の間の通気性が悪くなる可能性があるのも、デメリットのひとつです。これは通気層を設ける、断熱材と一体化した屋根材を使用するなどの対策で解決できます。
最後に、将来的には葺き替えが必要になることも理解しておきましょう。カバー工法で屋根の寿命を延ばせますが、いずれは葺き替え工事が必要になります。ご自身のライフプランを考慮し、長期的な視点で判断しましょう。
屋根カバー工法のメリットとデメリットを表にまとめると次の通りです。
屋根カバー工法の詳しいメリットやデメリットを知りたい方は、こちらの記事で詳細に解説しています。
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屋根カバー工法に用いられる屋根材の種類と特徴
屋根カバー工法に用いられる屋根材にはいくつか種類がありますので、特徴を知っておくと、選びやすくなります。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、金属製の屋根のこと。鉄はそのままだとサビやすいため、アルミニウムと亜鉛を合わせた「ガルバリウム合金」でサンドし、その上からシリコンやポリエステルの塗膜を塗っています。鉄の強さとサビに強い素材を掛け合わせることで、25~35年という長い耐久性を誇ります。
重さは瓦の1/6程度と軽量で、カバー工法に用いても構造体に負担をかけにくいのがメリットです。ガルバリウム鋼板自体は断熱性が低いという性質を持ちますが、屋根材に加工された製品は断熱性能を付与しているものが多く、そこまで心配する必要はないでしょう。
エスジーエル鋼板
エスジーエル(SGL)鋼板は、いわばガルバリウム鋼板の進化版です。ガルバリウム合金にマグネシウムを添加することにより、非常に強い耐食性を発揮します。
エスジーエル鋼板を販売するメーカーの実験では、ガルバリウム鋼板より3倍以上サビにくいという結果も出ています。そのため、従来金属屋根が不向きとされていた沿岸部でも塩害の被害を受けにくく、長期間性能を発揮し続けます。
耐用年数は30~50年と言われており、ガルバリウム鋼板よりもさらに耐久性が向上しているのです。そのため、築20年以上の家のカバー工法に用いるのであれば、建て主自身が住む期間はほぼリフォーム不要と考えてよいでしょう。
ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板は、ガルバリウム鋼板の表面に天然石粒をコーティングした屋根材です。金属屋根でありながら、まるで瓦屋根のような重厚感と高級感を演出します。実はジンカリウム鋼板もガルバリウム鋼板の一種なのですが、表面の石粒の有無で呼び名を区別しています。
ジンカリウム鋼板の耐用年数は、ガルバリウム鋼板と同じく25~35年と言われています。表面の石粒コーティングのおかげで、傷や紫外線、熱、サビに強くなり、長期にわたって美観を維持し、メンテナンスの手間を軽減できます。
ジンカリウム鋼板は、主に韓国など海外製品の輸入品が多いため、国産のガルバリウム鋼板と比べて費用が1~3割ほど安価になる傾向があります。しかし、製造国やメーカーによって品質にバラつきがある点には注意が必要。施工業者を選ぶ際には、実績や施工事例をよく確認することが重要です。
また、石粒コーティングは、日当たりが悪い北側の斜面などで苔や汚れが付きやすいという点にも注意しましょう。
屋根材選びのポイント
ここでは、屋根材を選ぶ際に役立つポイントをお伝えします。
固定方法
屋根カバー工法では、既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せるため、その固定方法が重要になります。固定方法には主に「オーバーラップ式」と「嵌合式(かんごうしき)」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な工法を選びましょう。
●オーバーラップ式
オーバーラップ式は、屋根材を重ねてビスで固定する方法です。施工が比較的容易で費用を抑えられるメリットがあります。しかし、台風などの強風時に屋根材が剥がれやすいというデメリットも抱えています。
●嵌合式
一方、嵌合式は、屋根材をパズルのように組み合わせて固定する方法です。オーバーラップ式と比較すると、強風による被害を受けにくいメリットがあります。しかし、施工費用が割高になる場合もあります。
日本では台風が多く強風被害が発生しやすいことから、嵌合式の採用をおすすめします。初期費用はオーバーラップ式よりも高くなる可能性がありますが、長期的に見ると、風災による補修のリスクを抑えられるため、結果的に経済的なメリットが大きくなります。
オーバーラップ式と嵌合式のメリットとデメリットを表にまとめると次の通りです。
屋根材を貼る方向
屋根カバー工法では、屋根材を葺く方向によって、横葺きと縦葺きの2種類があります。
●横葺き
横葺きは複雑な形の屋根でも対応でき、水平のラインが強調されることから、モダンな印象を与えます。ただし、横葺きは雨水が流れにくいというデメリットがあるため、勾配の緩い屋根では施工不可の場合があります。
一般的に、横葺きの金属屋根は、3寸勾配(3/10・約16.7°)以上で施工可能です。
●縦葺き
縦葺きは複雑な屋根には対応できませんが、縦のラインが強調されることで、伝統的で重厚感のある印象を与えます。工期が短く、費用を抑えやすいというメリットに加え、勾配の緩い屋根でも対応できます。
一般的に、縦葺きの金属屋根は、1寸勾配(1/10・約5.57゜)以上で施工可能です。
ただし、使用する商品によって最低勾配が異なるため、必ず施工会社に確認しましょう。
横葺きと縦葺きのメリットとデメリットを表にまとめると次の通りです。
断熱材の有無
屋根カバー工法で使用する屋根材には、断熱材が一体となっている商品と、そうでない商品があります。金属屋根は夏場に表面温度が上がりやすく、室内の温度上昇を招きやすいという特徴があるため、断熱材一体型の商品を選ぶことがおすすめです。
断熱材の厚みは商品によって異なり、一般的には厚いほど断熱性能が高くなります。快適な住環境を実現するためには、できるだけ厚い断熱材を使用した商品を選ぶとよいでしょう。
ただし、断熱材が薄い商品であっても、小屋裏の断熱がしっかり施されている住宅であれば、問題なく使用できます。ご自宅の状況に合わせて、最適な屋根材を選びましょう。
保証の充実度
屋根カバー工法で使用する屋根材は決して安いものではありません。だからこそ、製品に保証が付いているかどうかの確認は重要です。
保証の内容は製品によってさまざまですが、一般的には、赤さび、穴あき、色あせ、ひび割れなどが保証対象となっています。これらの保証が充実しているということは、メーカーが自社製品の品質に自信を持っていることの証といえるでしょう。屋根は住宅の中でも特に重要な部分であるため、長期的な安心を得るためにも、保証内容をしっかりと確認することが大切です。
屋根カバー工法用おすすめ屋根材5選
ここからは、屋根カバー工法のプロが選んだ、おすすめの金属製屋根材を5つご紹介します。
【おすすめ①】アイジー工業「スーパーガルテクト」
<こんな人におすすめ>
・長期にわたるメンテナンスフリーの屋根を求めている人
・断熱性・遮熱性に優れた屋根材で、光熱費を節約したい人
・スタイリッシュな外観の屋根にしたい人
※費用相場は、屋根の形状や面積、施工業者によって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
アイジー工業株式会社(以下、アイジー工業)の「スーパーガルテクト」は、耐久性、快適性、そして美しいデザインを兼ね備えた、カバー工法に最適な屋根材です。
その耐久性の秘密は、「超高耐久ガルバ」という特殊な素材にあります。これは、ガルバリウム鋼板の3倍の寿命を持つとされており、長期にわたってメンテナンスの手間を軽減できます。さらに、海岸線から500m以上であれば保証対象地域となるため、塩害の心配がある地域にお住まいの方にもおすすめです。
また、スーパーガルテクトは、断熱材と一体型の構造のため、優れた断熱性・遮熱性を発揮。アイジー工業が行った実験では、スーパーガルテクトと塗装の屋根裏温度を比較した場合、スーパーガルテクトのほうが15℃も温度が低かったという結果が出ています。さらに、嵌合部まで断熱材が充填されているため、他社製品よりも3~5℃屋根裏温度が低くなっています。
デザイン性にも優れており、特殊な「ちぢみ塗装」が施されているため、高級感のある仕上がりになります。カラーバリエーションも豊富で、住宅の外観に合わせて最適な色を選ぶことができます。
【おすすめ➁】ニチハ「横暖ルーフαプレミアムS」
<こんな人におすすめ>
・夏の暑さや冬の寒さを軽減したい人
・重厚な外観が好みの人
・長期にわたってメンテナンス費用を抑えたい人
※費用相場は、屋根の形状や面積、施工業者によって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
ニチハ株式会社(以下、ニチハ)の横暖ルーフシリーズは、断熱材一体型の屋根材として国内で初めて販売され、25年以上にわたり改良を重ねてきました。その中でも最高峰モデルの屋根材である「横暖ルーフαプレミアムS」は、エスジーエル鋼板を使用し、表面にはフッ素加工を施しています。
特に注目すべきは、その高い断熱性と防水性です。1枚あたり3mの長さがあるため、継ぎ目が少なく、高い防水性を実現しています。さらに、断熱材の厚みは17mmと、断熱材一体型屋根材の中でトップクラス。ニチハの実験では、断熱材なしの金属屋根と横暖ルーフαプレミアムSの野地板(屋根の下地)温度を比較した場合、最大25℃の差があったという結果も出ています。
また、横暖ルーフαプレミアムSは、デザイン性においても優れています。断熱材が分厚い分、段差がしっかりと表れるため、のっぺりとした印象にならず、住宅全体のデザイン性を高めることができます。
【おすすめ③】ケイミュー「スマートメタル」
<こんな人におすすめ>
・コストパフォーマンス重視の方
・耐久年数の長い屋根材を探している方
・工期を短くしたい方
※費用相場は、屋根の形状や面積、施工業者によって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
ケイミュー株式会社(以下、ケイミュー)が製造・販売する「スマートメタル」は、強靭なエスジーエル鋼板を使用しており、塩害にも強いため、沿岸部でも安心して使用できます。
スマートメタルは、左右どちらからでも施工可能で、重ね代も自由に調整できるため、切断の手間を大幅に削減できます。これにより、工期短縮と廃材処理費の削減に貢献。重ね代の調整が可能ということは、葺き方の自由度が高くなるため、これにより屋根の表情に個性をもたらせるのもメリットです。
また、薄い金属板であるため、比較的さまざまな形の屋根に対応できるのも魅力です。ただし、断熱材にあまり厚みがないため、天井の断熱処理がすでにされている住宅に向いているでしょう。
さらに、施工時に前後の嵌合、後ろ端のビス、釘止めによりしっかり固定されます。そのため、台風などの突風にも非常に強く、ケイミューが行った試験では風速60m/sにも耐えることが確認されています。
【おすすめ④】オークマ「シーガード」
<こんな人におすすめ>
・平板スレート屋根のメンテナンスを検討している方
・コストを抑えたい方
・太陽光パネルを設置している方
※費用相場は、屋根の形状や面積、施工業者によって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
株式会社オークマの「シーガード」は、平板スレート(コロニアル)屋根のメンテナンスに特化して開発された、新しい形の屋根改修材です。シーガードは表面にポリエステル塗装が施されており、酸性雨や紫外線に強く、優れた耐候性を発揮します。
専用の接着剤で貼り付けるため、騒音が少なく、穴あけによる雨漏りの心配もありません。接着剤での施工と聞くと、強度に不安があるかもしれませんが、風速69m/s相当の実験にも耐えたという結果があります。
また、既存のコロニアル屋根と噛み合うことで、強風にも耐える強さを実現しています。
ただし、シーガードは表面カバー材であり、防水性の改善はできません。現状で雨漏りが発生していない屋根にのみ施工可能です。
【おすすめ⑤】伊藤忠建材「スカイメタルルーフ」
<こんな人におすすめ>
・重厚感のある屋根が好みの方
・長く美観を維持したい方
・メンテナンスの手間を省きたい方
※費用相場は、屋根の形状や面積、施工業者によって変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
伊藤忠建材株式会社の「スカイメタルルーフ」は、イタリア産の天然玄武岩を砕いた石粒を表面にコーティングした、ジンカリウム鋼板製の屋根材です。その美しい外観は、まるで天然石を葺いたような重厚感があり、和風建築から洋風建築まで幅広く調和します。
また、瓦屋根の風合いを思わせる美しいデザインでありながら、瓦の約1/8という軽さを実現しています。軽量な屋根材は建物への負担を軽減し、耐震性の向上にも貢献します。
スカイメタルルーフに断熱材は付いていませんが、石粒コーティングによる遮音性と遮熱性も期待できるのもメリットです。雨音の軽減や、夏場の室内温度の上昇を抑え、快適な住まいを実現できるでしょう。
東海地方の屋根カバー工法はサーラハウスサポートへお任せ
屋根カバー工法に用いる金属屋根の種類には「ガルバリウム鋼板」「エスジーエル鋼板」「ジンカリウム鋼板」の3種類があります。同じ種類でも販売元によって特徴が異なりますので、屋根カバー工法を検討する際は、それぞれの特徴をよく比較してみましょう。
東海地方で屋根カバー工法を手掛ける「サーラハウスサポート」では、アイジー工業の「スーパーガルテクト」を主に使用しています。決して安くはない金額のリフォームだからこそ、プロ目線で本当に納得できる屋根材としてスーパーガルテクトを選びました。
アイジー工業は金属サイディングの販売数No.1の実績を誇り、その品質の高さは折り紙付き。自信の裏付けともいえる充実の保証や、安全性・断熱性能・施工のしやすさが魅力です。また、一般的なガルバリウム鋼板よりもめっき層の厚みが約1.25倍になっており、長期間サビや穴あきから守ります。
なお、スーパーガルテクトは、その革新的な技術が高く評価され、令和2年度には全国発明表彰「日本弁理士会会長賞」を、令和4年度には文部科学大臣表彰「科学技術賞」を受賞しました。これらの受賞は、長年にわたる研究開発の成果であり、科学技術の発展に貢献する優れた製品であることの証明であるともいえます。
私たちは、耐久性、耐候性、断熱性に優れた高品質な屋根材であるスーパーガルテクトを屋根カバー工法に採用することで、お客様に長期間の安心と、変わらない美しさを提供できると考えています。ぜひ屋根カバー工法を検討されている方は、サーラハウスサポートへお気軽にご相談ください。
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