外壁カバー工法は、既存の外壁の外側に、新たな外壁材を取り付けるリフォームの方法です。カバー工法に用いられる外壁材にはさまざまな種類があり、特に「ガルバリウム鋼板」は多くの住宅で選ばれています。
この記事では、外壁カバー工法において、なぜガルバリウム鋼板が人気を集めているのか、同じく用いられることの多い「エスジーエル鋼板」「アルミサイディング」「樹脂サイディング」と比較しながら解説します。メリット・デメリットのほか、横張りと縦張りの違いについても詳しく解説していますので、カバー工法を検討中の方はぜひ参考にしてください。
そもそも外壁カバー工法とは?
外壁カバー工法とは、既存の外壁を撤去せずに、その上から新しい外壁材を重ねる工事のこと。外壁リフォームの選択肢として、外壁塗装と並んで検討されることの多い工法です。
外壁塗装は、既存の外壁に塗装を施すことで美観を回復させ、防水機能を向上させますが、ひび割れや腐食が進行している場合は、塗装だけでは根本的な解決になりません。一方、カバー工法は、既存の外壁の上から新しい外壁材を被せるため、外壁全体の強度を高められます。
例えば、ひび割れが原因で雨漏りしている場合、新たな外壁を重ねるため雨漏りのリスクを軽減できるのです。
また、外壁材の種類によっては、断熱性や遮音性を向上させられます。初期費用は塗装に比べて高額になりますが、耐久性に優れ、メンテナンスの手間や費用を長期的に削減できるメリットがあります。
以下、外壁塗装と外壁カバー工法のメリット・デメリットを表で比較してみましょう。
このように、外壁カバー工法は塗装に比べて初期費用は高くなりますが、劣化状態によっては効果的な選択肢になり得ます。耐久性が高く、断熱性や遮音性も向上するため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
ただし、下地の腐食が進むなど劣化がひどい場合は施工が難しくなることも。新しい外壁材を安全に固定できないからです。そのため、事前に専門業者に外壁や下地の状態を調査してもらい、カバー工法が可能かどうかを確認しましょう。
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ガルバリウム鋼板ってどんな外壁材?費用相場は?
外壁カバー工法で人気のガルバリウム鋼板。耐久性やメンテナンス性に優れているといわれていますが、実際にはどんな特徴があるのでしょうか。
ここでは、ガルバリウム鋼板の特徴を他の外壁材と比較しながら解説していきます。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛・シリコンでめっき加工された鋼板です。加工性・塗装性・耐熱性に優れており、価格と性能のバランスが良いことから外壁材として人気を集めています。
ガルバリウム鋼板の成分は以下の通りです。
ガルバリウム鋼板の特徴は、アルミニウムと亜鉛を組み合わせることで、それぞれの長所を活かし優れた耐久性を実現しているところです。アルミニウムは酸性雨や塩害などに強い、耐食性という特長があります。亜鉛は鉄よりも先にさびることで、鉄を守る犠牲防食作用に優れています。
この二つの金属の特性が、ガルバリウム鋼板の高い耐久性を実現しているのです。
また、ガルバリウム鋼板は非常に薄い金属であるため、折り曲げるなどの加工がしやすいのも特長です。そのため、さまざまな形状の外壁にも対応できます。
外壁カバー工法に用いられるその他の外壁材の特徴
ガルバリウム鋼板以外にも、カバー工法によく採用される外壁材があります。「エスジーエル鋼板」「アルミサイディング」「樹脂サイディング」の3つです。これらの特徴もご紹介しましょう。
エスジーエル鋼板
エスジーエル鋼板とは、ガルバリウム鋼板の進化版といえる外壁材です。めっき層にマグネシウムを添加することで、ガルバリウム鋼板以上の耐食性・耐久性を誇ります。
特に耐食性は外壁材の中でもトップクラスです。外壁カバー工法の施工中、外壁材を切断したり曲げたりすることもあり、その部分はさびやすくなります。しかし、エスジーエル鋼板はめっき成分が傷口に回り込むため、サビを食い止めるのです。
もし施工後に何らかの原因で、外壁に傷ができたとしても、さびにくいのは安心できるポイントになるでしょう。
エスジーエル鋼板の特徴を以下にまとめました。
アルミサイディング
アルミサイディングは、文字通りアルミを主成分とした外壁材です。耐用年数が35~40年と長く、軽量で施工性に優れていることが特長です。
アルミサイディングの特筆すべき部分は、その軽さです。ガルバリウム鋼板の約1/2程度の重量であるため、構造体に負担を与えにくくなっています。高品質な外壁材ではありますが、価格が高いことが難点です。そのため、よりコストパフォーマンスに優れたガルバリウム鋼板が選ばれる傾向にあります。
アルミサイディングの特徴を以下にまとめました。
樹脂サイディング
樹脂サイディングは、塩化ビニル樹脂を主成分とした外壁材です。主にアメリカで普及しており、近年日本でも注目され、徐々に普及しています。
樹脂サイディングは、金属のようにさびることはありません。特に沿岸部での外壁カバー工法に向いています。また、樹脂に顔料を練り込んでいるため、塗装のように紫外線で色あせることもありません。
ただし、樹脂サイディングは日本ではまだ施工できる業者が少なく、デザインの選択肢が限られます。
樹脂サイディングの特徴を以下にまとめました。
窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、セメントと繊維質原料を混ぜて作られた外壁材です。住宅の外壁として広く用いられています。
窯業系サイディングはセメントが含まれているため、1㎡あたり17.3kg程度とガルバリウム鋼板の3倍以上の重さがあります。重い外壁材は、耐震性に影響を与えるため、検討時は建物の状態をよく見極めなければなりません。
ただし、石調や木目調などの質感は、金属系サイディングよりも本物に近いメリットもあります。これらの特徴から、窯業系サイディングをカバー工法に用いる場合は、全面的に使用するのではなく、アクセントとして部分的に用いることをおすすめします。
窯業系サイディングの特徴を以下にまとめました。
外壁カバー工法にガルバリウム鋼板を使用するメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板を使用した外壁カバー工法では、どんなメリットが得られるのでしょうか。また一方で、デメリットはあるのでしょうか。メリットとデメリットの両方を理解しておくと、より満足度の高いリフォームを実現できるでしょう。
メリット
ガルバリウム鋼板を外壁材として使用するメリットを7つご紹介します。
1. 構造体への負担が少ない
ガルバリウム鋼板は、窯業系サイディングの1/3以下という圧倒的な軽さで、建物にかかる重量負荷を大幅に軽減します。外壁カバー工法は外壁材を重ねる分、建物の重量増加につながりますが、ガルバリウム鋼板を使用すれば最低限の重量増加で済むため、構造体への負担をかけにくくなるのです。
また、外壁の重量が重いと地震で揺れた際、構造体に負担がかかりやすくなりますが、軽いガルバリウム鋼板を用いれば、耐震性を高めることができます。
2. 工期を短縮しやすい
ガルバリウム鋼板は軽いため、施工スピードの向上にもつながり、結果として工期を短縮しやすくなります。工期短縮は人件費の削減にもつながり、コスト面でも大きなメリットとなるでしょう。
3.トタンよりサビに強い
ガルバリウム鋼板は、サビに強いアルミニウムや亜鉛で鉄をコーティングすることで、高い耐食性を実現しています。従来のトタンに比べて、格段にさびにくいため、メンテナンスの手間や費用を削減できます。長期間にわたって美観を保つことができる点も大きなメリットといえるでしょう。
4.寒冷地の凍害に強い
寒冷地では、外壁のひび割れから浸入した水分が凍結・膨張することで、外壁を破壊する凍害が発生しやすくなります。しかし、ガルバリウム鋼板は金属製のため、水分を含まず凍結することがありません。そのため、寒冷地でも凍害のリスクを大幅に軽減できます。全国どこでも、気候条件を気にせず安心して使えるのが、ガルバリウム鋼板の大きなメリットです。
5.デザインの自由度が高い
かつての金属サイディングは、工場のような無機質な印象が否めませんでした。しかし、ガルバリウム鋼板はカラーバリエーションが豊富で、さらにその優れた加工性により、さまざまな形状に加工できます。
金属でありながらレンガ調、木目調、塗り壁風のデザインもあり、ナチュラルな風合いに仕上げることも可能。これにより、和風・洋風・モダンなど、好みに合わせた外観を実現できます。
6.断熱材一体型なら断熱性・遮音性が向上する
金属製の外壁材は、表面温度が上がりやすくなるのがデメリットでした。しかし、現在では断熱材一体型のガルバリウム鋼板が多く出回っており、これを採用すると金属であっても断熱性や遮音性を向上させられます。
7.メーカー保証が受けられる
ガルバリウム鋼板は、保証付きの商品が多いのもメリットです。メーカーによって保証内容は異なりますが、主に穴あき・赤サビ・変退色などに対して10~30年程度の保証が付いています。
リフォーム後の外壁は長期間使用することになりますが、保証を利用することで修理や交換費用を抑えられます。
デメリット
次は、ガルバリウム鋼板のデメリットも見ていきましょう。主なデメリットは以下の3つです。
1.傷が入るとサビの原因になる
ガルバリウム鋼板は、アルミと亜鉛で鉄をコーティングすることで、高い防錆性を発揮します。しかし、飛来物などによって表面に傷がつくと、そこからサビが発生する可能性があります。サビが出ると耐久性に影響を及ぼすため、見つけ次第補修しなければなりません。
また、ガルバリウム鋼板はサビに強いとはいえ、沿岸部ではやはり耐用年数が短くなるという意見もあります。長持ちさせるには、定期的な点検と水洗いなどのメンテナンスが大切です。
2.施工できる業者が限られる
ガルバリウム鋼板の施工には、専門的な知識と技術が必要です。薄く丈夫なガルバリウム鋼板ですが、施工中に物をぶつけるなどして傷をつけた場合、そこからサビが発生することがあります。そのため、適切に扱える業者でないと、施工が難しいのです。
3. 初期費用が高い
一般的に、ガルバリウム鋼板を使用したカバー工法は、初期費用が高くなります。
以下に、樹脂サイディングとガルバリウム鋼板の費用を比較してみました。
※施工費・現場管理費・足場代などは含まない。
樹脂サイディングに比べ、ガルバリウム鋼板は1棟あたり約33万円の材料費増となります。しかし、ガルバリウム鋼板はその耐久性の高さから、初期コストを考慮しても長期的に見てコストパフォーマンスのよい選択といえるでしょう。
ガルバリウム鋼板の施工方法|横張りと縦張りの違い
ガルバリウム鋼板は「横張り」と「縦張り」の2種類の方法で施工されます。見た目やデザインだけでなく、機能や費用にも違いがあるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。
横張り
横張りには、主に3つのメリットがあります。
1.施工費用と工期を抑えやすい
ガルバリウム鋼板は横張りするほうが、縦張りに比べて職人の数や施工にかかる手間が少なくて済むため、費用が安くなるのがメリットです。ただし、施行業者によっては横張りと縦張りの施工費に差がない場合もありますので、必ず事前に確認しましょう。
2.デザインの選択肢が多い
デザインの選択肢が多いのも、横張りの特徴です。実際に各メーカーのカタログを見ても、横張り専用・あるいは縦横兼用の商品の数が多くなっています。
横張りは、さまざまなデザインに対応できるため、好みに合わせた外壁デザインを実現しやすい点も魅力の一つです。
3.通気性が良い
横張りでは胴縁(外壁材を固定するための下地)を縦向きに固定します。胴縁が縦向きになることで、空気は下から上へと流れ、雨水は上から下へと流れ、排出されます。このように、空気と雨水の流れが遮られることがないため、通気層がしっかりと機能します。外壁内部の通気性が確保されることで建物の劣化防止につながるのです。
縦張り
縦張りには主に以下の3つの特徴があります。
1. 継ぎ目が少ない
ガルバリウム鋼板を縦に張る場合、継ぎ目は横方向になります。横方向に張る場合に比べて継ぎ目が少なくなります。また、継ぎ目が少ないことでシーリングの使用箇所が限られる縦張りでは、補修費用を抑えられる傾向があります。加えて、継ぎ目が少ない分雨水の侵入を防ぎやすいというメリットもありますます。
2. 見た目がスッキリする
縦張りは、横張りに比べて継ぎ目が少ないため、外壁全体の見た目がスッキリとします。縦のラインが強調されることで、建物が高く見え、スタイリッシュな印象を与えることができます。近年では、シンプルなデザインを好む人が増えているという理由もあり、飽きのこないデザインとして縦張りを選ぶ人が増えています。
3. 雨に強い
縦張りサイディングは、雨水の流れをスムーズにする排水性の高さが特長です。縦方向へ水が自然に流れ落ちるため、横張りに比べて水が滞留しにくく、湿気によるカビやコケの発生を抑制します。特に、降水量や湿度が高い地域において、その効果を最大限に発揮します。
【通気性について】
横張りにすると通気性が良くなるという説明をしましたが、縦張りの場合も「通気溝胴縁」という溝のある胴縁を取り付けることで、通気性が改善されます。そのため、「縦張りだから通気性が悪くなるのでは?」と心配する必要はありません。もし不安であれば、リフォーム業者に相談してみましょう。
横張りと縦張りは自由に選べるの?
ここまで、横張りと縦張りの特徴について説明しましたが、注意点として張り方を自由に選べるとは限らないことを知っておきましょう。というのも、商品によって張り方が決まっているからです。
大手外壁材メーカーのアイジー工業のカタログを見てみると、商品によって横専用・縦専用・縦横兼用と分かれていることがわかります。
希望の張り方がある場合は、リフォーム業者に相談することをおすすめします。
外壁カバー工法の依頼はサーラハウスサポートへ!
外壁カバー工法に使われる外壁材には、ガルバリウム鋼板のほかに、エスジーエル鋼板、アルミサイディング、樹脂サイディングなどがありますが、ガルバリウム鋼板が支持される大きな理由として、その耐久性とコストのバランスの良さが挙げられます。
東海エリアで外壁カバー工法を多く手掛ける、サーラハウスサポートは、外壁材大手メーカーのアイジー工業の製品「アイジーサイディング」を主に採用しています。アイジーサイディングはガルバリウム鋼板の強靭さと、15mmの厚い断熱材を掛け合わせることで、住まいの快適さと安全性を実現。
また、アイジー工業独自の「超高耐久ガルバ」は、さびやすい環境下20年相当で実験しても、傷口がさびないという結果があります。実際に20年再塗装していない建物でも、著しい赤サビや穴あきの発生はありませんでした。
※アイジー工業の試験結果によると、万一、屋根瓦が飛ぶほどの台風に見舞われた際に飛来物が外壁にぶつかったとしても、室内側へ貫通することもありません。東海エリアは台風の被害にあいやすい地域であるため、カバー工法には頑丈なガルバリウム鋼板を採用することをおすすめします。
このような優れた性能を持つ外壁材を開発・販売するアイジー工業は、実際にプロからも高い評価を受けています。「日経アーキテクチュア」の採用したい建材・設備メーカーランキング金属サイディング部門において、11年連続1位を獲得。日々多くの建材を取り扱うプロのお墨付きだからこそ、サーラハウスサポートでは、アイジー工業のアイジーサイディングを採用しているのです。
東海エリアで外壁カバー工法を検討中の方は、ぜひ一度サーラハウスサポートにご相談ください。